今回はサウジアラビア在住のあいさんにサウジアラビアでの生活、文化など実体験ベースでお話を伺いました。
※本記事は、せかいじゅうインタビューのまとめです。インタビュー動画はYoutubeからご覧いただけます
サウジアラビアへ留学したきっかけやこれまでの経緯は?
千葉出身でいま40歳です。
主人の仕事の都合で移住してきて1年4ヶ月になります。
サウジアラビア移住は、主人の赴任がきっかけで「安全だし大丈夫」と言われたというシンプルな理由です。
主人は海外出張ばかりで4年前からサウジアラビアに赴任しています。
子どもが3人いて、保育園児と小学生がいましたがサウジアラビアへの渡航を決めました。
日本にいた頃のサウジアラビアのイメージは『子どもを連れて行く国ではない』でしたが、実際に来てみて思うことは、スタッフの人たちが子どもと女性に優しくて、空港に着いた瞬間にイスラムの人たちに対する考えが変わりました。
イスラムの教え『コーラン』によると、女の人や子どもには必ず大切にして敬わなければいけないという教えがあり、とにかく家族連れに優しい国だと思い、考えがドラスティックに変わりました。
2023年10月14日(土)東京・政府公認ビザコンサルタントによるカナダ移住トークライブ&交流会を開催します
海外移住の情報収集、新しい出会いが待っています
サウジアラビアのビザや移住の準備を振り返ってどうでしたか?
大変でした笑
サウジアラビアのビザセンターはたぶん世界屈指レベルで
- ほとんど連絡が取れない
- 開いてない
- メールが返ってこない
- ホームページが更新されない
なので、特定の代理店を通さない限りかなり難しいです。
3-4年前から観光ビザがオープンになったので、観光ビザであれば旅行代理店で簡単にすぐ取れるようになりました。
しかし移住となるとかなり大変で、そもそも仕事のためのビザを取るのでも、長い方だと5-6ヶ月かかります。
スポンサーが会社であっても、サウダイゼーションといって自国民の各労働者を守るために、どの会社も必ず基本的には7割以上をサウジアラビア人を雇わなくてはいけないというルールがあります。
その会社が日本人を呼び寄せたい場合に会社に調査が入ります。
何人いて、その中に自国民が何人いて、それだったらいいというような調査です。
例えばギリギリの人数のところだと前任者が帰国をして在住のビザを返してからじゃないと次の人のビザが発行できないので、引継ぎは一旦帰ってから戻って観光ビザで入って1ヶ月引き継ぎをする、というぐらいすごい厳しいです。
ただ、こっちの会社で働いてそのままこっちの現地の企業に転籍して住んでるっていう方はすごくたくさんいます。
サウジアラビアの給料や就労事情。2000万円の年収の人もいる
こちらは給料がものすごく高いので現地の会社に転籍をして在住権をとってる外国人は結構たくさんいます。
スポンサーが現地企業になるとビザの取得が格段にスムーズになります。
移民政策をとられている国はたくさんあって、それでも現地の雇用をまずしっかり確保するというところで大事にされている国が結構たくさんあるのですが、そこまで厳しい条件は初めて聞いたのでびっくりしました。
これがたぶんサウジアラビアが発展しきれないボトルネックになっていると思います。
サウジアラビアはもともと遊牧民の国で建国して100年と歴史も浅いです。
基本的には勤勉な労働があって国が発展していきます。
遊牧民のところにオイルマネーがあって勢いで国が発展してしまったので、国民的には勤勉性というのはなかなか備わっていないです。
ただし経済的には潤っています。
今までは裕福層だったので、階層がすごく分かれています。
アジア人やアフリカの人たちをお手伝いさんとして雇うという社会だったので人口の3割が今外国人です。
これから爆発的に増えていく若者層の就職先がこのままではないです。
これは困ったということで外国人の就労を少なくして、仕事を増やすために政府は躍起になって厳しくしています。
サウジアラビアはGDPが300-400万ぐらいでそんなに高く見えないのですが、実際これは1ヶ月3-4万円で働いているワーカーさんを含めての金額なので、主人の同僚は普通に日本でいう係長ぐらいでも1000万円貰っているんです。
8割サウジアラビア人を雇わないといけないので製造業を持つことが出来ないです。
みんなに1000万円ずつ払わないといけないので、製造コストが高すぎます。
物が売れず虫除けスプレーやボールペンも、基本的に何もかも輸入です。
だから物価がものすごく高くてコーンフレークが1箱1500円です。
現地企業に転職して働いてる人がいると基本的に日本人のスタイルで働いていれば、ものすごいスピードで昇格できます。
サウジアラビアには勤勉さがないので、時間よりちょっとオーバーワークしてやりたいところまでやる、何かを完璧にするという日本人でいう普通のスタイルでいくだけでどこの会社でも評価してもらえて2000万円貰える人もいます。
移住するまでが大変かもしれませんが、働けば出世コースなんですね。
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家族で移住する際のビザ取得はスムーズでしたか?
ファミリー対応ビザで会社がサポートしてくれたので1ヶ月ぐらいですぐ取得出来て入国する時もスムーズでした。
インターネットでサウジアラビアの情報が少ないので、アバヤを着ないと入れないかと思い、一応黒い洋服を全部着たら2-3分で入国出来ました。
子どもは特に指定がないです。
15歳以上の女性は身体を隠さないといけないです。
そういう情報もインターネットにありませんでしたが、今は七分袖やカットソーでも入国出来ます。
街の中に出るには、3年前ぐらいから外国人でイスラム教ではない人に限りアバヤを着ないで肌を隠さなくても良いというルールが出来ました。
以前は宗教警察がいて肌を隠していないと逮捕していたのですが、今は逮捕はされないです。
でもまだそれが社会浸透してしていないので、やっぱり街中にいると視線を感じます。
サウジアラビアはメッカがあって自分たちは一番のイスラム国家だという自負があります。
お祈りを5回しない人はイスラム教徒じゃないという徹底ぶりなので、肌を隠さなくてもルール上は逮捕されませんが、やはり隠した方が良いですね。
ただフィリピン人などのアジアのナニーさんたちは結構Tシャツで出歩いたりはしています。
サウジアラビアの方に聞くと、アジアの方のお手伝いさんは働きに来てるだけっていうのが認識されているので大丈夫だそうです。
サウジアラビアでは多様性は認められてきているのですか?
政府が教育改革に力を入れています。
小学校から男女が校舎も別で一緒に授業が受けられないです。
芸術や音楽の授業もないし、女の子においては体育の授業もありません。
少しずつイスラムの授業を減らして算数、理科、国語の授業を増やして理系の人材を育てようとしています。
学校選びの基準は『どういったイスラムの教えをポリシーにしているか』で、親が選びます。
イスラムの授業を減らしてしまうと生徒が集まらず経営が悪化してしまうので、減らしきれないです。
「女の子なのに体育をさせるなんて」という親がいたり、中学生になると身体を隠してバスケをしなくてはならないのです。
なかなか政府の想いと国民の間にギャップがあります。
移住して驚いたことは?
とても住みやすい国。法律のおかげで安心
シャリア法という世界一厳しいという法律のおかげで街が安全だからです。
1回の窃盗で指を、2回目で手首切断といった具合にとても厳しいです。
世界で一番死刑を執行するぐらい厳しいです。
ビュッフェの時に財布と携帯を席に置いたままでも平気なほど人と街は安全なので日本から来て1番びっくりすると思います。
あとは豚肉が絶対に手に入らないことと、お酒を飲んだら国外退去です。
酒、肉類の制限
料理をするときに料理酒、豚肉、ソーセージ、ハムがないです。
餃子を作ろうと思っても全部鶏ハムやターキーハムを使うことになるので料理はかなり大変です。
新鮮な魚がほとんど手に入らなくて、IKEAで一切れ1000円の冷凍サーモンぐらいしか買えないです。
フィッシュマーケットに行って匂いを我慢しながらマシそうなのを選びます。
新鮮な魚を見つけ出すのはなかなか大変で、新鮮なのはエビぐらいです。
絶対に焼いて食べますし、スーパーの魚も試しましたがびっくりするぐらい生臭いです。
サーモン、ホタテ、エビを回すしかないです。
ホタテも1キロ2万円ぐらいするのでもう半年ぐらい購入していないです。
お肉は鶏肉、牛肉、マトン、ラクダはスーパーで購入出来ます。
野菜もなんでもあって、豆腐、ネギ、生姜はいつものスーパーで買えます。
ただ中国人がすごく少ないのでチャイナマーケットがないです。
もしあれば納豆やキムチやお餅も購入できるのですが、それがないので個人でやっているチャイニーズマーケットに行ってキノコを買ったりしています。
普通のスーパーだと榎茸1本1000円ぐらいするのが、そこなら百数十円で購入できます。
白菜も買えるので日本人同士で情報交換をしています。
意外に綺麗だった世界遺産
サウジアラビアは見どころもないと思っていたのですが、この前友人とディルイーヤという世界遺産に行ってきました。
ここは昔の都市ですがものすごく綺麗でした。
入場料1万円ぐらい払うと、なかにお洒落でレベルの高いお店がたくさんあって、好きなお店で食事をすることができます。
アラビック料理は美味しい
サウジアラビアの伝統料理で、バナナをパイ生地で挟んだものがあり朝ご飯でよく食べます。
デーツというドライフルーツのスーパーフードがあり、こちらの人は朝ご飯はデーツとコーヒーで済ます人が多いです。
生姜と何かが入ったアラビックコーヒーで朝食を食べるのですが、そこにデーツを摂るだけで全部のバランスが取れるっていうくらいです。
ラムの肝臓やお豆など、アラビック料理はめちゃくちゃ美味しいです。
週に3日食べるぐらいで、子どもたちも大好きで誕生日といったら必ずアラビック料理です。
カプサという伝統料理がとても美味しいです。
ラクダ、チキン、牛とホワイトソースがかかっていて、これを手で食べます。
基本的にお客さんがきたら床に出して右手で食べます。
ローカルのレストランに行くと「スプーン」という英語も通じないのでジェスチャーでスプーンを出してもらいます。
アラビックのメニューしかないですが、サウジアラビアの30%は外国人なので英語は通じます。
現地の日本人の方はどんなお仕事をされている方が多いですか?
メーカー、商社、自動車関係が多い
ヒエラルキーが出来ないくらい人数が少ないのでみんなで力を合わせてほのぼのしている感じです。
懇親会ではみんな手作りのおひたし、春巻き、サラダ、あえもの、じゃがいものグラタンなどを持ち寄って、みんなお人柄が出ていて居心地が良かったです。
髪の毛も出せない
婚姻証明書でここに住んでいることの証明書をすぐ出せないと連れていかれるというのを経験してるので、外に出ることに対してものすごく抵抗があるようです。
私のように去年や最近来たメンバーは、そんなに言うほど厳しくないと感じているので日本人の中でも若干価値観が違います。
女性が1人で歩けるようになったのも数年前からでそれまでは行けなかったので、ここ数年で社会は劇的に変わりました。
サウジアラビアに来るまではすごく男尊女卑の社会だと思っていたのですが、来てみたら逆転しました。
女性をすごく大切にしすぎています。
料理をするのは女性ですが、買い物をするのは仕事帰りのお父さんです。
男性が女性にお小遣いをあげるのですが、お父さんやお兄さんからお小遣いをもらうので女性はみんなブランドのバッグを持っています。
働いている女性もいますし、海外に留学して医者になって帰ってくる女性もいるのですが、私たちが想像する『サウジアラビアの女性たちは閉じ込められてる』というイメージとは違い、『私たちは守られている』と感じてるのかなと思います。
だから可哀想と思ってはいけないのだと気付きました。
サウジアラビアの教育環境について
発展途上で伸びしろがある
ローカル校、インターナショナル校、日本人学校を見ました。
ローカル校は読み書きができないとコーラン読み聞かせから出来ないので無理だと思いました。
ローカルの教育レベルはあまり高くはないです。
教育ポリシーは『個人が幸せになる』ではなく『サウジアラビアの発展に貢献する人材を育てる』です。
そのために大学で専門的なことをしようと思った時に、高等教育を受けるだけのレベルに達していないから、小中学校のレベルをもう少しあげなければいけないです。
小中学校で学ぶための基礎がまだ就学前で身に付いてないから授業を聞くこともなかなかできていないです。
幼稚園の就学率が20%ぐらいしかなく幼児教育も未発達です。
幼児教育を充実させるための先生をもっと導入ししたいのですが、その先生を育成する養成館がまだ足りないので今一生懸命育てている段階で、PISAという学力調査では特に理数が低いです。
現地交流は日本人の場合は無いですが、行ってる子達はいます。
サウジアラビア人と結婚した人たちの子どもはローカル校に行きます。
自国民であれば大学まで無料です。
大学まで行くと毎月200-300ドル国からお金が貰えます。
他国に比べ教育にかけるお金は高く、今は先生を養成することに力を入れています。
偏差値がないので自分の学力が国の中の相対的にどこにあるか把握することができないです。
入試も難しくなく、偏差値を知る必要もありません。
意識の高い家庭は中学生ぐらいからチューターをつけます。
教育産業として塾がなく、良い先生を育てるためのプログラムが結構多いです。
インターナショナル校はすごく高くてお財布と相談です。
語学ができない子だとインセンティブが付くので下の子だと大体1ヵ月20-30万円ぐらいかかります。
なので外国人が学校に行く選択肢はあまりないです。
永住権さえ取ってしまえばメリットはすごい多いです。
永住権を取るにはこちらの人と結婚をしてイスラムに改宗しなければいけないですし、ものすごく大変です。
子育てはしやすいです。
レストランで子どもが走っていても日本のようにイライラすることはなく、のびのびしています。
叱ることもなく子どもにすごい優しいです。
サウジアラビア人は日本人のことがすごく好きなので、日本から来たと分かると朝ごはんやアイスをご馳走してくれたりします。
日本ではちょっと考えられないのですけど、子どもといればいつも誰かが優しくしてくれる感じです。
お店に並ぼうとしても予約している40人ぐらいを飛ばして案内してくれたりもします。
それに対してずるいという感じもなく、社会が子どもを大切にしているという感じです。
スーパーに子どもといるとカゴの中を見て「それ全部買ってあげるよ」と声をかけられたり、パン屋さんに行くとパンをくれたりと、子どもに対して信じられないくらい優しい国です。
今大学4年生で心理学を勉強しているのですが、卒論のテーマを変えようと思っています。
この国の子どもたちがあまりにも目がキラキラしていて可愛くて元気なので『サウジアラビアのイスラム環境が与えるのが幼児期にあたる性格形成』にしようと思っています。
この子たちの目の輝きは日本人が失った何かだと思うし日本人も学ぶことがあるんじゃないかなと思うくらい自信に満ち溢れています。
いま感じていることやこれからやりたいことは?
抹茶や緑茶を売る仕事がしたい
今年大学卒業なので来年から仕事をしたいなと思っています。
こっちに来てみんなに「抹茶ってどこで買えるの?日本茶の美味しいのが飲みたい」とよく聞かれるので、ネットで抹茶や緑茶を売る仕事が出来れば良いと思います。
こっちはお酒を飲まないので、男2人でも抹茶で朝まで語り合う文化があります。
先月ぐらいから抹茶ラテや抹茶ロールケーキの下準備をしています。
最後にメッセージ
悲しいことや嫌なことがあったときに海外に行くっていうのは乱暴かと思っていました。
比較的自由な親に育てられて視野が広いと思っていた私ですら21歳の留学の時に頭をドンキで殴られたぐらい世界が広がりました。
一生懸命真面目に勉強することではなくて、一つ一つを深く考えることがこんなに大切なのかを実感しました。
深く一つずつ考えるようになったら、一つずつの会話も面白ければ映画の楽しみ方も変わって人生観が変わりました。
こっちに来るのに主人と何回も喧嘩しました。
なんで私は仕事をやめなければいけないのか、今の給料に満足して同僚ともうまくいってて仕事も楽しいのに、なんで女の人は辞めてあなたはそっちで仕事続けられるの不平等だと喧嘩しました。
生きるために仕事をするけど、仕事のために生きているわけではない、今生きてる、と感じます。
子育てをしている時は、もし隣の国で戦争が起きていても気づかなかったと思うくらい必死で
毎日の離乳食、ご飯メニュー、家事を回す、保育園の準備をするしか出来ていなくて、人に対する余裕がなかったです。
でもこっちに来て、子育て大変ならナニーさんを雇えばいい、など、やらなければいけないと思っていたことが何もかも違うと気づいたときに自分の新しい人生が始まったと感じることができました。
今までの生活がずっと幸せだったと思っていたのが嘘だと思うくらい、こっちでは100億倍ぐらい充実しています。
ワーホリでもいいし1ヵ月の短期留学でも旅行でも良いと思うんですけど海外に行ってみるのはおすすめです。
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